Contents
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- 1. 幼児期の受け口(反対咬合)は治す必要がある
- 2. まとめ;受け口のデメリット
- 3. 受け口(反対咬合)の原因は?
- 4. ムーシールドとは?
- 5. ムーシールドの原理
- 6. ムーシールドの適応
- 7. ムーシールドの使用法
- 8. ムーシールドのサイズ
幼児期の受け口(反対咬合)は治す必要がある
幼児期の反対咬合永久歯に生え変わる事により反対咬合が自然治癒する率は、わずか6%といわれています。
すべての疾患は早期治療が基本ですが,特に反対咬合の病態は歯列だけの問題に留まらず,子どもが成長していく過程での咬合不全から生じる機能障害が発現します。機能障害から顎骨の発育障害を生じさせ,上顎骨の劣成長,下顎骨の過成長などによる頭蓋を形成する顎の骨格性変異に移行させます。
反対咬合 ➡➡ 機能障害 ➡➡ 顎骨の発育障害
反対咬合により生じる骨格性変異は患者さんの生涯にわたる顔貌に不可逆的問題を引き起こし,残存させる重要な病態です。また,反対咬合は形態的変異だけではなく表情にも影響します。咀嚼機能などの抑制により表情筋などの衰退を生じさせる結果として,顔の表情表現を不活性化させ,表情豊かな顔を得ることができなくなります。乳幼児の反対咬合は自己免疫により自然治癒をするケースもありますが,放置をすると取り返しのつかない病態になります。
まとめ;受け口のデメリット
- あごがしゃくれる、コンプレックスになる
- 舌足らずの話し方になる
- 前歯で噛み切りにくい
- 食べるのが遅い
- 顎関節症になりやすい
受け口(反対咬合)の原因は?
反対咬合(受け口)の多くは「低位舌」が原因の「機能性反対咬合」です。
低位舌によって、押してはいけない下顎歯列を押してしまい、本来押さなければならない上顎歯列を押さないので上顎劣成長になってしまうのが反対咬合です。
従来、家族性=骨格性反対咬合と考えられていたような症例でも、「低位舌」という機能不全が遺伝していることがあり、やはり機能性反対咬合ということが少なくありません。
ムーシールドとは?
3歳~5歳でも可能な受け口の矯正です。舌や、唇の力を適切に誘導し、自身の筋肉の力によって矯正治療を行うので、「機能性矯正装置」と言われています。
ムーシールドの原理
- 「ムーシールド」は、舌位置を矯正し、舌が正しく上顎歯列を押して、上顎骨の成長を助けるように誘導します。
- 上口唇の過緊張によって、上顎前歯を内側へ押してしまうのをブロックすることによって、上顎歯列が前方に成長するのを助けます。
- 下顎歯列への内側からの力=舌圧を排除することによって、下口唇の力によって下顎歯列を内側へ移動させます。
ムーシールドの適応
3歳を超えてBからBの4前歯が反対であり、被蓋(噛み合せ)が深め、もしくはまずまずの被蓋関係があり、切端咬合位(構成咬合)が可能である場合。
☆叢生(乱杭歯)は適応外となります。
☆反対咬合の家系に限らず、成長に伴い再び治療を必要とする可能性がありますが、反対咬合の原因の一つでもある舌の位置の異常を改善することもできますので、無駄にはなりません。
ムーシールドの使用法
寝ている間にマウスピースをはめて頂きます。
ムーシールドのサイズ
Sサイズ | 乳歯列期 | 3~5歳 | |
Mサイズ | 混合歯列期 | 6~11歳 |